銀行のシステム障害、昨年は300件強に

ドイツの銀行で昨年発生したシステム障害の件数は301件に上ることが、緑の党のダニアル・バヤズ連邦議会(下院)議員が提出した質問に対する連邦財務省の回答で明らかになった。同国ではコメルツ銀行やドイツ銀行など大手金融機関でシステムがダウンするトラブルが相次いでおり、今年も7月8日までに計160件に達した。同回答をもとにロイター通信が15日、報じた。

システム障害が多発する背景には、銀行のITシステムが老朽化していることがある。バヤズ議員はドイツ銀とコメ銀で最近起きた障害や、ネットバンキング詐欺の増加を「憂慮すべき事態だ」と指摘。ITシステムが適切に機能しない現状が続けばドイツの銀行の競争力が一段と失われるうえ、顧客の信頼も揺らぐとして、当局も含めて早急な改善策を取るよう要求した。

ドイツの銀行はシステム障害が発生した場合、連邦金融監督庁(BaFin)に速やかに通報することが義務づけられている。BaFinのフェリックス・フーフェルト長官は、システム障害の背景にはしばしば、行員の入力ミスやソフトアップデートの不手際があると指摘。外部からの攻撃が原因となることは少ないとの見方を示した。

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