Daimler:ダイムラー―10年ぶり赤字計上―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)が24日発表した2019年第2四半期(4~6月)期決算の営業損益(EBIT)は15億5,500万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(26億4,000万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字計上は10年ぶり。ディーゼル車排ガス不正疑惑とタカタ製エアバックのリコール拡大、バンの製品ポートフォリオ見直しで総額42億ユーロの特別費を計上したことが響いた。株主帰属の純損益は17億2,600万ユーロの黒字から13億2,800万ユーロの赤字へと転落した。

売上高は426億5,000万ユーロで、前年同期を5%上回った。主力の乗用車部門は1%減少したものの、他の4部門が増収を確保。トラック、バスの2部門は2ケタ台の伸びを記録した。

EBITを部門別でみると、最も強く足を引っ張ったのはバンで、赤字幅は20億5,000万ユーロに達した。乗用車も前年同期の黒字(19億100万ユーロ)から6億7,200万ユーロの赤字へと転落している。他の3部門は増益を確保しており、増加幅はトラックで33%、バスで61%、金融サービスで553%に達した。

乗用車部門は売上高が222億9,300万ユーロに上っており、売上高営業利益率(EBITベース)は前年同期の8.4%からマイナス3.0%へと悪化した。

5月に就任したオラ・ケレニウス社長は業績悪化を受けてコスト削減の強化方針を打ち出した。投資と製品ポートフォリオの見直しを行うとしている。詳細は11月14日にロンドンで開催する投資家説明会で発表する。

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