独情報通信業界連盟(Bitkom)は7月31日、国内情報通信技術(ICT)市場規模が今年は前年比2.0%増の1,703億ユーロに拡大するとの見通しを発表し、年初予測の1,685億ユーロから上方修正した。市場データと景況感アンケートを分析し、予測の引き上げに踏み切った。アッヒム・ベルク会長は「経済、国家、社会のデジタル化の進展がICT業界の成長をけん引している。輸出産業の危機はICT企業に波及していない」と指摘。そのうえで、景気低迷の時期こそ事業プロセス・モデルを見直さなければならないとして、デジタル化投資を削減しないよう呼びかけた。
Bitkomによると、今年の成長をけん引するのは情報技術(IT)分野で、市場規模は3.2%増の936億ユーロへと拡大する。特にソフトウエアが好調で、6.3%増えて260億ユーロとなる見通しだ。ITサービスは2.4%増の409億ユーロ、ITハードウエアは1.5%増の267億ユーロを見込む。
通信分野の市場規模は682億ユーロとなり、1.8%増加する見通し。スマホなど通信端末が9.7%増の125億ユーロと大きく伸びる。通信インフラは1.9%増の71億ユーロ、通信サービスは横ばいの486億ユーロを予想している。
娯楽家電分野は7.7%減の86億ユーロへと大きく落ち込む。小売価格は安定しているものの、販売台数が減少していることから、市場が縮小する。
来年のICT市場については1.6%増の1,731億ユーロを見込んでいる。