ドイツ連邦統計局が20日発表した7月の生産者物価指数は前年同月比1.1%増となり、上げ幅は3カ月連続で縮小した。エネルギーと非耐久消費財の上げ幅縮小、および中間財の下げ幅拡大が響いた格好。エネルギーは2.1%増(前月:同2.2%増)で、エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は0.7%だった。
エネルギーでは電力の上昇率が大きく、8.4%に上った。電力公社などの配電事業者向けが19.8%高くなり、全体を強く押し上げた。一般世帯向けは3.5%増、特別契約顧客向けは3.4%増だった。
石油製品は2.0%減となり、2カ月連続でマイナスとなった。液化石油ガスの下落幅が22.3%から31.4%へと大きく拡大。房用灯油(1.7%減)と軽油(1.2%減)も前年同月を下回った。
天然ガスは1.5%減となり、下げ幅は前月の0.6%から拡大した。発電所向けが15.4%、産業向けが12.8%、再販売事業者向けが0.6%の幅で落ち込んだ。
非耐久消費財は1.7%増となり、上げ幅は前月の2.1%から縮小した。食料品の上昇率が2.6%から2.2%へと低下したことで強く押し下げられた。上げ幅が特に大きかったのはこれまでに引き続き豚肉と加工済みじゃがいもで、それぞれ18.1%、15.8%に上った。バター(31.4%減)、砂糖(16.0%減)、コーヒー(6.3%減)はこれまでに引き続き前年同月を割り込んだ。
中間財は0.7%低下し、2016年9月以来の大きな下げ幅となった。集積回路が14.0%、金属二次原料が13.6%、金属が2.7%下落し、全体を押し下げた。貴金属は10.8%、肥料・窒素化合物は7.8%、穀物粉は7.0%高くなった。
耐久消費財は1.3%、投資財は1.5%の幅で上昇した。
生産者物価指数は前月比では0.1%増となり、3カ月ぶりに上昇した。エネルギーが前月の1.4%減から0.7%増へとプラスに転換。エネルギーを除いたベースでは物価が0.1%低下した。中間財は0.4%減、投資財は0.2%増、耐久消費財は横ばい、非耐久消費財は0.2%減だった。