化学大手の独バイエルとランクセスは6日、両社の合弁である化学工業団地運営会社クレンタを豪金融大手マッコーリーのインフラ投資子会社マッコーリー・インフラストラクチャー・アンド・リアル・アセッツ(MIRA)に完全売却することで合意したと発表した。バイエルとランクセスはともに経営資源を絞り込む方針に基づき、今回の取引に踏み切った。
クレンタを35億ユーロと評価して取引を行う。同評価額にはバイエルがクレンタに譲渡する不動産1億8,000万ユーロが含まれる。クレンタの債務と企業年金は含まれない。
バイエルは保有するクレンタ株60%を約11億7,000万ユーロで譲渡する。第4四半期(10~12月)の売却手続き完了を見込む。
ランクセスは保有株40%を約7億8,000万ユーロで売却する。同社は最大2020年4月末までクレンタ株を保有し、MIRAへのクレンタ引き渡しが実務面でスムーズに進むようバックアップする。
クレンタは独西部のレバークーゼン、ドルマーゲン、クレーフェルトで化学工業団地を運営している。バイエルは昨年11月、組織再編の一環でクレンタからの撤退方針を表明していた。ランクセスは売却益を特殊化学事業の強化に充てる意向だ。