エネルギー大手の独EnBW(カールスルーエ)が電気自動車(EV)を最大1万4,000台、調達する計画だ。調達に向けた同社の競争入札文書をもとに日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が21日報じたもので、内燃機関車からEVへの切り替えを社員に促す。広報担当者は「全社員がEモビリティを利用できるようにするための試みだ」と趣旨を説明した。
EnBWはEVを2020年5月から3年かけて調達する計画。場合によっては期間を2年間、延長する。応札期限は9月半ばとなっている。
ドイツのEV登録残数は1月1日時点で8万3,175台だった。同社が調達予定の1万4,000台はその17%に相当する規模で、特定の企業が購入するEVの数としては過去に例がない水準となる。
EV大量調達の背景には、同社が充電スタンドなど電動車関係の事業を展開していることがある。電動車が幅広く普及しないと充電インフラ事業が軌道に乗らないことから、社用車などの形で社員に提供し、普及を底上げする狙いだ。