家電市場でスマートフォンの売り上げが伸びる一方で、娯楽家電は縮小が続いている。欧州情報技術観測所(EITO)のデータをもとに独情報通信業界連盟(Bitkom)が8月28日発表したところによると、今年の独スマホ売上高は前年比11%増の119億ユーロと大きく伸び、昨年に引き続き過去最高を更新。テレビやデジタルカメラなどの娯楽家電はスマホに押されて7.7%減の86億ユーロへと後退する見通しだ。
スマホの販売台数は2,240万台となり、前年の2,260万台からやや減少するものの、平均価格は12%増の532ユーロと大幅に上昇する。高性能のカメラ機能や反応速度の速いプロセッサー、大型ディスプレーを求める消費者が多いためで、全販売台数の82%に当たる1,840万台を画面サイズ5.5インチ以上のファブレットが占める見通しだ。
娯楽家電市場は縮小傾向にあり、かつて100億ユーロを超えていた売上高は15年に100億ユーロ未満に縮小。その後も減少に歯止めがかかっていない。
背景には、テレビからネットへの視聴需要の移行や、テレビ番組をネットで視聴する消費者の増加、スマホのカメラ機能の向上がある。
テレビの売上高は今年、6%減の38億ユーロへと後退する。販売台数は4%減少し、平均価格は昨年を13ユーロ下回る587ユーロとなる見通しだ。
デジカメの販売台数は14%減の160万台へと落ち込む。ただ、低中価格帯製品の需要がスマホに食われ、高価格帯の販売比率が高まることから、平均価格は3ユーロ増の449ユーロへと上昇する。