ドイツは4年連続で世界最大の経常黒字国となる見通しだ。Ifo経済研究所のクリスティアン・グリメ研究員がロイター通信に明らかにしたところによると、今年の経常黒字は2,760億ドルとなり、2位の日本(同1,880億ドル)を大幅に上回る。3位には僅差で中国(1,820億ドル)が続く。
一方、米国は経常赤字が約4,800億ドルに達し、今年も世界最大の赤字国となる。トランプ政権が赤字削減に向けて行っている中国製品に対する関税上乗せ策は効果が出ていない。
ドイツが巨額の経常黒字を計上するのは貿易黒字が大きいためで、特に欧州連合(EU)加盟国と米国向けの輸出が黒字の源泉となっている。このほか、対外金融債権・債務から生じる利子・配当金などの収支状況を示す第一次所得収支も同黒字を押し上げる。
グリメ研究員は、ドイツが主力製品の自動車、機械、化学品の輸出に伴って国外に融資を行っていることを指摘。「ドイツは(製品輸出だけでなく)資本輸出でもワールドチャンピオンだ」と述べた。
EUの欧州委員会と米トランプ政権、国際通貨基金(IMF)はドイツの経常黒字を以前から批判している。今年も最大の経常黒字国になれば、風当たりは一段と強まりそうだ。