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2019/9/18

企業情報

Fresenius:フレゼニウス―輸血用品事業の売却を取り止め―

この記事の要約

総合医療大手のフレゼニウス(バート・ホンブルク)が輸血用品事業の売却に向けた手続きを停止した。

競合が仮に買い取っても事業の部分転売が避けられず手間がかかることから、フレゼニウスが希望する価格での売却合意が実現しなかったもようだ。

同社は投資会社にも接触したが、売却合意には至らなかった。

総合医療大手のフレゼニウス(バート・ホンブルク)が輸血用品事業の売却に向けた手続きを停止した。同社の確認を得た情報として16日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。手元に残して投資を行い、成長を図る意向だ。

フレゼニウスは2012年、子会社カービを通して米フェンオールを買収し、輸血用品の世界最大手メーカーとなった。だが、その後、市場規模は20億ユーロ程度で停滞。競争も激しいことから2月に戦略オプションを検討する方針を打ち出していた。

業界関係者の情報として同紙が報じたところによると、ヘモネティクスやテルモなど競合メーカーへの売却は独禁規制に抵触する可能性が高かった。競合が仮に買い取っても事業の部分転売が避けられず手間がかかることから、フレゼニウスが希望する価格での売却合意が実現しなかったもようだ。同社は投資会社にも接触したが、売却合意には至らなかった。