消費者景況感5カ月ぶり好転、金融緩和拡大が追い風に

市場調査大手GfKが9月26日発表したドイツ消費者景況感指数の10月向け予測値は9.9となり、8月の確定値(9.7)を0.2ポイント上回った。同指数の改善は5カ月ぶり。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の拡大を決めたことが追い風となった。

景気の見通しに関する9月の指数(10月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を3.0ポイント上回るマイナス9.0とへと上昇した。ただ、長年の平均であるゼロを依然として割り込んでおり、消費者は景気低迷を感じている。

所得の見通しに関する9月の指数(同)は3.3ポイント減の46.8となり、2カ月連続で落ち込んだ。同指数は高水準で安定しているものの、景気低迷の影響が今後、労働市場に強く波及してくると、大きく落ち込む可能性がある。

高額商品の購入意欲に関する9月の指数(同)は6.3ポイント増の55.1へと大きく上昇した。ECBが12日の定例政策理事会で国債などを買い入れる量的金融緩和の再開と、民間金融機関が余った資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)のマイナス幅拡大を決定したことが大きい。中銀預金金利の負担を民間金融機関が預金者に転嫁することを懸念する消費者は多く、貯蓄性向は一段と弱まりそうだ。

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