ドイツ連邦統計局が9月27日発表した8月の輸入物価指数は前年同月比2.7%減となり、2016年8月以来、3年ぶりの大きな下げ幅を記録した。前年同月を割り込むのは4カ月連続。エネルギーの下落幅が15.7%から19.6%へと拡大したことが最大の押し下げ要因で、エネルギーを除いた輸入物価の下落率は0.4%にとどまった。
エネルギーでは天然ガス(-35.7%)と電力(-34.6%)が特に大きく低下。石炭(-19.8%)、石油製品(-12.9%)、原油(-11.8%)も2ケタ減となった。
中間材は1.5%下落した。リグニン・セルロース(-14.6%)、電子部品(-11.3%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(-8.0%)で下げ幅が大きかった。鉄鉱石は40.3%増となり、これまでに引き続き大きく拡大。貴金属も30.8%の伸びを記録した。
投資財も0.2%下落した。スマートフォンとタブレットPCがそれぞれ11.1%、7.4%低下。機械は1.5%上昇した。
耐久消費財は前年同月を0.6%上回った。
非耐久消費財が1.0%増。上げ幅は豚肉が20.1%と特に大きかった。衣料品と医薬品もそれぞれ2.3%、2.2%上昇した。
農産物は2.7%増となり、上げ幅は前月の5.4%を下回った。豚が41.8%上昇したのに対し、リンゴは22.5%、かんきつ類は8.9%落ち込んだ。
8月の輸入物価指数は前月比でも0.6%低下し、4カ月連続で落ち込んだ。エネルギーが4.5%下落。エネルギーを除いたベースでは下落幅が0.2%だった。エネルギーでは石炭が7.0%、電力が6.8%、原油が5.3%、石油製品が4.4%、天然ガスが2.3%の幅で低下した。
8月の輸出物価指数は前年同月比0.1%減となり、下落へと転じた。前月比も0.1%落ち込んでいる。