合意なき離脱は「壊滅的結果」招く、欧州自動車23団体が共同で反対声明

欧州自動車工業会(ACEA)など欧州の自動車関連23団体は9月23日、英国が合意のないまま欧州連合(EU)から離脱した場合、欧州自動車産業に「壊滅的な結果をもたらす」と警告し、「合意なき離脱」に強く反対する声明を発表した。合意なき離脱に伴い、EU・英国間で乗用車とバンに世界貿易機関(WTO)の協定関税率が適用されると、57億ユーロの関税負担が生じると試算している。

声明はACEAのほか、欧州自動車部品工業会(CLEPA)、ドイツ自工会(VDA)、英自工会(SMMT)など、欧州各国の業界団体が共同で発表した。

合意なき離脱となった場合、EU・英国間の乗用車の輸出に対し、10%の関税が課されることになる。声明は、メーカー側で新たなコスト負担を吸収できなければ、販売価格に転嫁せざるを得なくなり、消費者が不利益を被ると強調した。

また、合意なき離脱で通関手続きが必要になれば、サプライチェーンに深刻な影響がおよび、自動車産業で広く採用されている「ジャストインタイム」モデルの維持が困難になると指摘。英国で自動車生産が1分間停止するだけで、5万4,700ユーロ(約650万円)の損失が出るとの試算を示した。

各国の業界団体は、欧州自動車産業は英国を含めた相互依存のうえに成り立っており、効率的なサプライチェーンを分断する合意なき離脱は回避しなければならないと主張している。

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