Condor:コンドル航空に政府融資保証、英親会社の破たんで

ドイツ政府とヘッセン州政府は9月24日、英旅行大手トーマス・クックの経営破たんで資金繰りがにわかに悪化した独子会社コンドル航空に対し融資保証を行う方針を明らかにした。欧州連合(EU)欧州委員会の承認を得て、政策金融機関KfWが3億8,000万ユーロのつなぎ融資を実施。両政府が信用保証を提供する。

トーマス・クックは23日、英国の裁判所に破産を申請した。同社は1841年創業の老舗旅行会社だが、追加の資金調達をめぐる交渉が不調に終わり、資金繰りに行き詰まって経営破綻に追い込まれた。

トーマス・クックは旅行代理店としてパッケージ旅行を企画販売しているほか、独自の航空会社も運営する企業。このところオンライン旅行代理店との競争激化で経営不振が続き、巨額の債務を抱えている。英国のEU離脱をめぐる混迷で旅行需要が減って経営難が一段と深刻化していた。

8月には筆頭株主である中国の投資会社、復星国際から救済のため2億ポンドの資金注入を受けることで合意したが、株主や債権者から追加で2億ポンドの調達を要求されていた。この調達に関する交渉が22日に決裂し、破産申請に追い込まれた。

コンドル航空は財務が健全で黒字を計上しているものの、資金を親会社トーマス・クックが管理していることから、資金繰りが悪化した。ドイツの旅行会社の多くはコンドルを利用していることから、同社のフライトが停止すると秋の旅行シーズンに大きな混乱が生じる見通し。ドイツ政府とコンドルの地元ヘッセン州政府はこれを踏まえて、融資保証方針を打ち出した。

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