ノルデックス―スペイン企業が買収か―

独風力発電設備大手のノルデックス(ロストック)は8日、筆頭株主であるスペインの再生可能エネルギー企業アクシオナを対象に第三者割当増資を実施し、事業資金を調達したと発表した。これによりアクシオナの出資比率は29.9%から36.27%へと拡大したことから、アクシオナはドイツの法律に基づき他の株主から株式を買い取る株式公開買い付け(TOB)を実施する。

ノルデックスは第三者割当増資を1株当たり10.21ユーロで実施した。これは過去3日間の加重平均株価に相当する水準で、総額9,900万ユーロを調達した。

ドイツの法律では出資比率が30%を超えた場合、他の株主を対象にTOBを実施することが義務づけられている。アクシオナはこれを踏まえてTOBを行う。買い取り価格は1株当たり10.32ユーロ。これは過去3カ月間の加重平均株価に相当する。ノルデックスを11億ユーロと評価した格好で、他の株主が持つ全株式を取得すると、コストは計7億ユーロに上る。第2位株主の独投資会社スキオン(BMWの大株主)はTOBに応じない意向を表明した。

風力発電設備業界では競争激化を背景に競合のセンヴィオンが4月に経営破たんしたばかり。ノルデックスも財務が悪化していたもようで、アクシオンは同日の声明で、増資の引き受けにより「ノルデックスの支払い能力改善に寄与する」との見解を示した。

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