シーメンス―ロシアで発電所受注―

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は2日、ロシアの化学大手PJSCカザンオルグシンテズからコンバインドサイクル発電所を受注したと発表した。ロシアで発電設備を受注するのはシーメンス製ガスタービンがクリミア半島の発電所に不正流用された事件の発覚後初めて。

露タタールスタン共和国にコンバインドサイクル発電所をターンキー方式で設置する。出力は250メガワット(MW)。シーメンスはこのほか、同発電所と既存の発電所(出力495MW)のメンテナンスなども引き受ける。受注総額は約2億9,000万ユーロに上る。

シーメンスは2016年、ロシアのエンジニアリング大手テクノプロムエクスポート(TPE)が同国のタマン半島で元受事業者として建設する発電所プロジェクト向けにガスタービン4基を供給した。だが、これら4基は一部改造されたうえでTPEが手がけるクリミアの発電所プロジェクトに流用されていた。欧州連合(EU)はロシアのクリミア併合を受けてクリミアへの輸出を規制。シーメンス製タービンの横流しはこれに抵触することから、この事実が17年に発覚すると大きな問題に発展した。

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