ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した9月の乗用車新車登録台数は前年同月比22.2%増の24万4,622台へと急拡大した。比較対象の2018年9月は欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更を受けて30.5%も落ち込んでおり、その反動が出た格好。1~9月の累計は前年同期を2.5%上回る274万158台だった。
EUでは排ガス検査方式が昨年9月に厳格化された。これを受けて8月までに駆け込み登録が殺到。9月以降は前年同月を下回る月が続いた。
9月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は149.5%増の5,880台となり、これまでに引き続き大きく拡大した。シェアは前年同月(1.2%)の2倍の2.4%へと拡大した。
ハイブリッド車(HV)は88.5%増の1万8,945台で、シェアは前年同月の5.0%から7.7%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)は51.2%増の3,572台で、シェアは1.2%から1.5%に拡大した。
ガソリン車は13.8%増と伸び率が新車登録全体(22.2%)を下回ったことから、シェアは前年同月の64.3%から59.9%へと縮小。ディーゼル車は23.5%増え、シェアは29.3%から29.6%へとやや伸びた。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均155.1グラムで、前月(157.6グラム)を1.6%下回った。昨年9月にEUの排ガス検査方式が変更されたことから、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比については公表しないことにしている。
車種別ではスポーツ車の伸び率が最も大きく、前年同月比で95.4%に達した。これにオフロード車が74.3%で続く。
コンパクトカーはシェアを前月の18.9%から21.6%に拡大。同22.2%から21.0%に縮小したSUVを抜いて首位に返り咲いた。
社用・公用車としての新車登録は前年同月比23.9%増、マイカーは同19.0%増で、シェアはそれぞれ67.0%、33.0%となった。
伸び率が最も大きいブランドはテスラで、前年同月比1,007.0%増の1,678台へと拡大した。これにポルシェが431.1%増の2,512台で続く。比較対象の昨年9月は両ブランドとも新車登録が急減。その反動もありV字回復した。アウディ(148.3%増の1万1,412台)とホンダ(118.0%増の1,295台)も2倍以上に拡大している。
ポルシェとアウディ以外のドイツ車ではVWも96.0%増の3万9,750台と2倍近い伸びを記録した。このほか、フォード(25.6%増の1万8,853台)、スマート(24.3%増の2,826台)、メルセデス(20.0%増の2万6,853台)、ミニ(14.9%増の4,565台)が大きく伸びた。オペル(9.1%減の1万8,488台)とBMW(18.9%減の1万9,881台)は落ち込んだ。
ホンダ以外の日本車ではレクサスが28.7%増の332台と好調だった。そのほかは三菱が0.2%減の4,386台、トヨタが1.8%減の6,858台、スズキが6.4%減の2,904台、マツダが9.4%減の6,350台、日産が23.2%減の3,154台、スバルが37.3%減の389台となっている。
日本車以外の主な輸入ブランドではセアト(78.5%増の6,848台)、双竜(77.0%増の200台)、ルノー(50.6%増の7,648台)、現代(36.0%増の1万1,676台)、ダチア(31.7%増の2,744台)、シュコダ(27.5%増の1万4,004台)、フィアット(26.8%増の7,130台)、ボルボ(21.5%増の3,998台)、アルファロメオ(19.6%増の262台)、起亜(13.4%増の5,552台)、ランドローバー(8.2%増の1,053台)、ジープ(6.3%増の1,610台)が増加。シトロエン(9.9%減の3,679台)、プジョー(26.9%減の3,855台)、DS(36.7%減の176台)、ジャガー(46.9%減の501台)は減少した。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した9月の国内乗用車生産台数は41万5,500台で、前年同月を4%上回った。同輸出台数も2%増えて32万800台となった。1~9月の累計は生産台数が前年同期比9%減の357万4,600台、輸出台数が12%減の268万2,000台だった。