BMW―大型モデルの販売倍増へ、利益率引き上げに向け―

独高級車大手BMWのニコラス・ペーター取締役(財務担当)は10日、本社所在地のミュンヘンで、大型モデルの販売台数を来年は今年の2倍の13万5,000台に引き上げる意向を表明した。車両の電動・自動・IoT化に向けた巨額の投資で利益が圧迫されていることから、利幅の大きい大型モデルの販売を拡大。乗用車部門の売上高営業利益率(EBITベース)で目標レンジの8~10%を達成できるようにする考えだ。

乗用車部門の売上高営業利益率は昨年、7.2%となり、前年の9.2%から大きく落ち込んだ。今年は第1四半期(1~3月)がマイナス1.6%、第2四半期(4~6月)が6.5%となっており、通年でも4.5~6.5%にとどまる見通し。ペーター取締役は、大型高級車市場は成長すると述べたうえで、「我々は市場平均を上回る伸びを実現する」と強調した。

利益率が低い小型車ブランド「ミニ」については、手元に残す意向を示した。小型車は二酸化炭素(CO2)排出量が相対的に少ないことから、欧州連合(EU)のCO2排出規制を遵守するために必要不可欠とみている。

同社は利益率を引き上げるために120億ユーロ規模のコスト削減プログラムを実施する。その一環として人員削減を行う意向だ。業績連動型のボーナスも引き下げる。このほか、協業を通して開発コストを圧縮する。

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