バイオ医薬品開発の独ビオンテック(マインツ)は10日、米ナスダックで新規株式公開(IPO)を実施した。市場で調達した資金を新薬の開発と研究開発・生産施設の拡張に充てる。
新株を1株15ドルで公開し、1億5,000万ドルを調達した。初値は16.50ユーロで、公開価格を10%上回ったものの、その後は下落。終値は14.24ユーロへと落ち込んだ。時価総額は32億ドル(29億ドル)。
同社はこれまでも積極的に資金を調達しており、7月には既存と新規の投資家から3億2,500万ドルを獲得。IPO前に調達した資金の累積額は約13億ドルに達していた。
ビオンテックはDNA(遺伝情報を保持する物質)の情報を写し取るメッセンジャーRNA(リボ核酸)をベースに、ワクチンを作製する企業。オーダーメードのがんワクチンと感染症予防のワクチンを開発している。2008年の設立で、設立に際しては独後発医薬品大手ヘクサールの元オーナーが設立したシュツリュングマン・ファミリーオフィスが資金を提供した。
現在は計20以上の医薬品を開発中で、そのうち15種類が20年末までに臨床段階にある見通しという。