ドイツ鉄道(DB)のライドシェア(相乗り)サービス子会社クレバーシャトルが14日、ハンブルク、フランクフルト、シュツットガルトの3都市で突然、営業を停止した。経済紙『ハンデルスブラット』が報じたもので、従業員は同日朝に連絡を受けたという。
クレバーシャトル2014年の設立で、DBの駅を出発・目的地とするライドシェアを手がけている。顧客は専用のアプリで予約。ルートが近い他の顧客と相乗りすることになるため、料金はタクシーに比べて最大40%安くなる。車両には環境に優しい電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、水素燃料電池車(FCV)を利用。トヨタのFCV「ミライ」も採用している。
3都市で営業を停止したのは採算が取れていないため。フランクフルトとシュツットガルトでは当局の許可を受けず黙認の形で営業を続けてきたという事情もあり、当局の指導が入った可能性がある。
ハンブルクでは自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の移動サービス子会社モイアがEVを利用したライドシェアを4月に開始した。ダイムラーとBMWもライドシェア「フリーナウ」のパイロットプロジェクトを同市で開始しており、クレバーシャトルは競争に敗れたもようだ。
3都市から撤退したことで、クレバーシャトルが事業を展開する都市はベルリン、ミュンヘン、ライプチヒ、ドレスデン、キールの5カ所に減少した。ただ、11月末にはデュセルドルフ進出を予定しており、事業地域は再び増える見通し。