化学大手の独コベストロは11日、使用済みのポリカーボネート(PC)から電子機器向けの材料を再生するプロジェクトを他社と共同で実施すると発表した。持続可能な経済・社会への関心の高まりを背景に樹脂再利用のニーズが増えていることから、チャンスが大きいと判断した。デュッセルドルフで開催される専門見本市「K2019-国際プラスチック・ゴム産業展」(16~23日)でコンセプトを発表する。
PCの再生利用コンセプトを共同開発した。同コンセプトは(1)コベストロが飲料ボトルメーカーにPCを供給する(2)同ボトルメーカーがPCボトルを飲料水メーカーに供給する(3)飲料水の最終消費者から供給ルートをさかのぼる形でボトルを回収する(4)回収したボトルを粉砕して洗浄する(5)粉砕されたボトルの品質をチェックしたうえでPCを顆粒化し、他の物質と混ぜてブレンド体を製造する――というもの。ブレンド体はパソコンや印刷機など向けに樹脂部品を製造するメーカーに提供する。PCボトルは約50回使用できるため、何度もリユースしたうえで回収することになる。
コベストロはこのほか、使用済みPETボトルとポリカーボネートのブレンド体を製造するプロジェクトも実施する。