BASF―印に化学コンプレックスを共同建設、投資額40億ドルに―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は17日、印複合企業アダニ・グループ、アラブ首長国連邦アブダビ国営石油会社(ADNOC)、墺石油化学大手ボレアリスと共同でインドに化学コンプレックスを建設する計画を明らかにした。来年3月まで実行可能性調査を実施し、2024年から生産を開始する意向だ。

BASFは1月、アダニと共同でインド西部のマンドラ港に合弁工場を設立することで基本合意した。両社合わせて約20億ユーロを投資し、現地需要が高まっているアクリル製品を生産する計画。BASFが過半数資本を握る。

今回4社が取り決めた計画はBASFとアダニの計画を拡張するもので、プロパンから水素を除いてプロピレンを精製するワールドスケールのプロパン脱水素装置(PDH)を共同で設置する。これによりプロジェクトの規模は最大40億ドルに拡大することになる。プロパンはADNOCが供給する。

同PDHで製造されたプロピレンの一部はADNOCとボレアリスの現地合弁工場で利用される。残りはBASFとアダニの合弁工場に供給され、ブタノール、2-エチルヘキサノール、氷アクリル酸(GAA)、アクリル酸ブチル(BA)などの原料として利用される。BASFとアダニの合弁工場の製品は建設や自動車、塗料産業向けに販売される。

化学コンプレックスで用いる電力は100%再生可能エネルギー由来のものを使用し、カーボンニュートラルを実現する。化学業界で世界初のカーボンニュートラルな生産施設となるという。再生エネを安定調達するために、現地の風力・太陽光発電パークに資本参加する計画だ。

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