ドイツ連邦統計局が29日発表した9月の輸入物価指数は前年同月比2.5%減となり、下げ幅は前月の同2.7%からやや縮小した。輸入物価のインフレ率が下げ止まったのは6カ月ぶり。投資財がマイナスからプラスに転じたほか、消費財の上げ幅が拡大したことなどが大きい。エネルギーは19.1%減とこれまでに引き続き大きく落ち込んだものの、下げ幅は前月の19.6%からやや縮小した。エネルギーを除いた輸入物価は横ばいだった。
エネルギーでは電力(-35.1%)と天然ガス(-32.9%)が特に大きく低下。石炭(-17.8%)、原油(-14.1%)、石油製品(-11.7%)も2ケタ減となった。
中間材は1.1%減となり、下げ幅は前月の1.5%から縮小した。大きく下落したのはリグニン・セルロース(-17.2%)、電子部品(-10.2%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(-7.7%)。貴金属は39.0%増、鉄鉱石は33.3%増となり、これまでに引き続き大きく拡大した。
投資財は0.1%増となり、前月の0.2%減から上昇に転じた。機械が1.7%上昇。スマートフォンとタブレットPCはそれぞれ11.2%、7.1%低下した。
耐久消費財は前年同月を1.3%上回り、上げ幅は前月(0.6%)の2倍以上となった。
非耐久消費財も1.4%増となり、上げ幅が前月(1.0%)から拡大した。上昇率は豚肉が24.8%と特に大きかった。衣料品と医薬品もそれぞれ2.8%、2.3%上昇した。
農産物は2.3%増となり、上げ幅は前月の2.7%をやや下回った。豚が42.0%上昇したのに対し、パプリカは13.4%、リンゴは10.7%、かんきつ類は10.6%、穀物は9.1%落ち込んだ。
9月の輸入物価指数は前月比では0.6%上昇し、5カ月ぶりに拡大へと転じた。エネルギーは5.0%増で、エネルギーを除いたベースでは上げ幅が0.2%だった。エネルギーは電力(4.0%減)を除いてすべて上昇。上昇率は天然ガスで8.4%、石油製品で5.0%、原油で3.6%、石炭で3.3%に上った。
9月の輸出物価指数は前年同月比が横ばい、前月比が0.1%増だった。