自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は25日、主要市場の欧州、日本、北米(NAFTA)で販売するトラックとバスを今後20年で二酸化炭素(CO2)を全く排出しないゼロエミッション車へと全面的に切り替える方針を明らかにした。同社は温暖化対策に注力しており、5月には乗用車部門メルセデスベンツ・カーズでもCO2の排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」を2039年までに実現するとの目標を打ち出した。
トラックとバスでゼロエミッションを実現するために同社はまず22年までに、欧州、日本、北米市場で電気トラック、バスの量産車を発売。20年代末までには燃料電池を動力源とする車両も追加する。これら3市場では39年までにすべての新車をゼロエミッション車に切り替える。
生産部門でもCO2の排出を減らしていく意向で、欧州では22年までに全工場でカーボンニュートラルを達成する。他の地域でも漸次、実現していく。
ダイムラーは産業革命前からの世界の平均気温上昇幅を2度未満に抑えることなどを取り決めたパリ協定を念頭に今回の目標を打ち出した。路上を走行するトラック、バスが50年までにゼロエミッション車になることを目指している。トラック、バスの使用期間は約10年に上ることから、同社は主要市場での内燃機関車販売を39年までに終了する。