政府が環境国債の発行を計画、CO2排出削減に向け

ドイツ政府が環境国債(グリーンボンド)の発行を計画している。オーラフ・ショルツ財務相(社会民主党=SPD)が『南ドイツ新聞』に明らかにしたもので、来年の発行を予定している。同国初の環境国債となる。

グリーンボンドは調達資金の用途を温暖化対策などの環境分野に限定した債券。民間企業が社債として発行することもある。

ドイツ政府は9月の閣議で、二酸化炭素(CO2)排出削減目標の実現に向けた包括計画「温暖化防止プログラム2030」を了承した。国内のCO2排出量を2030年までに1990年比で最低55%削減するという政策目標の実現が現状では難しいことから、踏み込んだ措置を実施する。これには巨額の資金を要することから、税収以外の資金源を確保する意向だ。

欧州中央銀行(ECB)の金融緩和政策を背景にドイツ国債の利回りは現在、長短すべての限月でマイナスとなっている。金融緩和打ち切りのめどが立たないことから、国債利回りは今後もマイナスにとどまる見通し。

これを受けて与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)からは、国民の環境国債投資を促進するために利回りをプラス2%に設定すべきだとの声が出ているが、ショルツ財務相は納税者に不要な負担がかかるとして拒否の意向を示した。

上部へスクロール