自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は1日、量子コンピューターを開発・販売する米スタートアップ企業イオンQに資本参加したと発表した。イオンQの技術は量子情報の最小単位である量子ビットを増やしやすく将来性が高いことから、イオンQが実施した総額5,500万ドルの資金調達に、サムスン系の投資ファンドなどとともに応じた。
量子コンピューターは配達ルートの最適化やエネルギー効率を高める素材の開発など特定分野の課題を従来型のスーパーコンピューターよりも大幅に早く処理できる。イオンQは電場や磁場を組み合わせて荷電粒子を捕捉する装置であるイオントラップを用いることで、高い量子ビット数を実現している。
同社は2015年の設立。今回調達した資金を、量子コンピューターをクラウドベースで提供するサービスの実現や、開発に充てる。
ボッシュは自社のベンチャー投資ファンド子会社ロバート・ボッシュ・ベンチャー・キャピタル(RBVC)を通してイオンQに資本参加した。RBVCのインゴ・ラーメゾール社長はイオンQの量子コンピューターは「ボッシュの製品開発に革命をもたらす可能性がある」と明言した。