ドイツ政府は6日の閣議で、包装法改正案を了承した。レジ袋として用いられる厚さ0.05ミリ未満の樹脂袋を流通事業者が提供することを全面禁止することが柱。連邦議会(下院)と州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の可決を経て来年中に施行される見通しだ。
樹脂製のレジ袋などは自然分解されにくく、適切に廃棄処理されないと海洋生物が誤食したり、土壌・水質汚染を引き起こす。欧州連合(EU)はこうした事態を深刻視。2015年3月にレジ袋削減に向けた指令を成立させた。域内の1人当たりの年間レジ袋使用量(厚さ0.05ミリ未満)を10年時点の推定198枚から20年に90枚、25年には40枚へと減らす目標だ。
独環境省と独小売業中央連盟(HDE)はこうした事情を受けて16年、樹脂製レジ袋を有料化する協定を締結した。この結果、同年の樹脂製レジ袋消費量は前年比で33%減少。17年は35%減の24億枚となり、EU目標を達成した。18年はさらに20億枚まで減り、消費者1人当たりの使用量は約20枚となった。
政府は樹脂製レジ袋の全廃を目指しており、これを実現するためには法律による禁止が必要と判断。今回の改正法案を閣議決定した。トウモロコシやジャガイモなど植物由来の樹脂を用いた袋についても◇リサイクルが難しい◇栽培で大量の農薬が投入されている――との理由から、禁止対象に加えた。
量り売りの野菜や果物を入れる樹脂袋については小売店などでの提供を引き続き認める。これに代わる適切な袋がないうえ、禁止すると衛生上の問題や食品の無駄につながるためだ。EU指令でも例外的に認められている。