フォルクスワーゲン―「セル生産への参入は一時的」=取締役―

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)のシュテファン・ゾンマー取締役(調達担当)は13日付『ハンデルスブラット』紙掲載のインタビューで、車載電池セルの生産に参入するのは「(セル製造という)巨大な産業を極めて短い期間で構築しなければならないという事情」があるためだと述べ、長期的にはセル生産から撤退する意向を表明した。将来はサプライヤーから全面的に調達する意向だ。

同取締役はまた、世界的なサプライヤーである独ボッシュとコンチネンタルがともにセル生産事業への不参入方針を打ち出したことに言及。電動車の価値の20~30%を占めるセル市場をみすみす放棄することは理解できないとの見方を示した。ボッシュとコンチネンタルはセル生産への参入を検討したものの、セル工場の建設には巨額の資金が必要で、失敗した場合は大きな痛手を被ることなどを踏まえ、ともに参入しないことを決めた。

ゾンマー取締役はさらに、車載電池のリサイクルに意欲を示した。リサイクル材料を活用すれば、コバルトなど原料の採掘量が減ったり価格が高騰しても影響を抑えることができるためだ。同リサイクル市場は電動車が幅広く普及する2020年代末頃から本格期に入るとみている。

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