カーボンニュートラルな出張が可能に、ルフトハンザが企業向け新サービス

独航空大手ルフトハンザは15日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」なフライトサービスを提供すると発表した。地球温暖化防止に向けた取り組みを企業に求める声が強まっていることに対応。グループ企業の便を利用する大口顧客を対象に来年1月から導入する。

フライトで発生したCO2を植林や太陽光発電プロジェクトなどへの投資によって相殺する「カーボンオフセット」の活用を通して実質的にゼロエミッションの出張フライトを実現する。具体的には、スイスの非営利団体マイクライメイトが行う温暖化防止プロジェクトを通して達成する。

同社はこれまでも乗客にカーボンオフセットサービスを提供してきた。ただ、同サービスの料金をチケットと別に徴収することから、利用者はほとんどいない。

この現状を改めるために、ルフトハンザと大口契約を結ぶ企業向けにカーボンオフセットサービスを提供する。同サービスの料金は食事などとともに運賃に含まれることから、温暖化防止プロジェクト向けの資金を確保しやすい。ルフトハンザ本体と子会社スイス、オーストリア航空の欧州域内便が対象となる。

ルフトハンザが企業顧客向けに同サービスを導入するのは、CO2の排出削減を工場など主な活動分野だけでなく、出張でも実現するよう求める圧力が高まっていることがある。出張でのCO2削減は持続可能性レポートを作成する企業にとって大きな宣伝ポイントになることから、同社はニーズがあると判断した。

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