電機業界受注9月も減少、景況感は改善

独電気電子工業会(ZVEI)がこのほど発表した独業界の9月の新規受注高は前年同月比3.9%減となり、これまでに引き続き落ち込んだ。国内受注が9.7%減少。ユーロ圏(ドイツを除く)も同5.6%縮小した。ユーロ圏外は3.8%増加し、2カ月ぶりに改善した。

1~9月の累計も前年同期を1.9%割り込んだ。ユーロ圏が4.0%縮小。国内とユーロ圏外もそれぞれ2.0%、0.6%後退した。

9月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を1.4%下回った。需要の減少が反映された格好。1~9月の累計も前年同期比で3.6%縮小した。

10月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の16.7%から11.4%へと減少した。「縮小」は同55.0%から60.0%に増えており、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス9.2ポイントからマイナス15.4ポイントへと悪化した。

同DIを部門別でみると、マイナス幅は娯楽家電(-65.2ポイント)、電線(-39.2ポイント)、電気駆動装置(-37.0ポイント)で特に大きかった。鉄道車両は(+69.6ポイント)はこれまでに引き続きプラス幅が最も大きかった。このほか、情報機器(+38.4ポイント)、白物家電(+17.3ポイント)で良好だった。

9月の業界売上高は169億ユーロで、前年同月を1.5%上回った。ユーロ圏外が4.4%、国内が2.5%増加。ユーロ圏は5.4%減少した。

1~9月の売上高は1,425億ユーロで、前年同期を0.5%割り込んだ。国内が0.7%、ユーロ圏外が0.6%縮小。ユーロ圏は0.1%増とわずかながら拡大した。

10月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス17.1からマイナス13.3へと改善した(同指数がマイナスとなるのは4カ月連続)。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)がマイナス33.6ポイントからマイナス23.1ポイントへと好転したため。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)はプラス1.1ポイントからマイナス2.9ポイントへと悪化した。

景況感指数が特に振るわなかったのは娯楽家電(-44.5)、電気駆動装置(-40.8)、照明(-24.4)で、娯楽家電は現状判断、電気駆動装置は期待指数が足を強く引っ張った。一方、医療機器(+23.3)、鉄道車両(+14.7)、情報機器(+13.9%)は良好だった。

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