三菱商事―蘭エネルギー大手を中部電力と共同買収―

三菱商事は25日、欧州で総合エネルギー事業を展開する蘭エネコの売却入札に中部電力と共同で参加し、優先交渉権を獲得したと発表した。今後、ロッテルダム市などの既存株主、およびエネコ内での手続きを経て株式売買契約を締結。三菱商事と中部電力が共同で設立した新会社ダイアモンド中部ヨーロッパを通じて、最大100%の株式を41億ユーロ(約5,000億円)で買収する。

エネコはオランダ、ベルギー、ドイツの3カ国を中心に再生可能エネルギーを中核とした発電事業、電力・ガストレーディング事業、電力・ガス小売事業、地域熱供給事業を展開。オランダ第2位の強固な顧客基盤と、約120万キロワット(kW)の再エネ資産を保有している。2007年から他社に先駆けて再エネ開発を行い、11年からは消費者向けに100%グリーンな電力を供給するなど、グリーンブランドとしての地位を確立している。

三菱商事とエネコは12年からこれまでに計3件の欧州洋上風力発電事業(123万kW)、および欧州最大規模の蓄電事業(5万kW)で協業してきた。今後は両社の関係を深化させることでエネコの技術力・ノウハウを活用し、欧州内外での三菱商事の再エネ開発を加速させる。また、エネコの顧客基盤と三菱商事の持つ商材・サービスを組み合わせることで、エネコ顧客向けエネルギーマネジメント関連の新サービスを充実させる。

中部電力はエネコと知見を持ち寄り、相互にビジネスモデルを進化させることで、国内外のエネルギー事業でシナジー創出を図る。

新会社ダイアモンド中部ヨーロッパは蘭アムステルダムに本社を置く。三菱商事が80%、中部電力が20%出資している。

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