新薬の独市場投入件数、昨年は7年来の低水準

研究開発型製薬工業会(VfA)によると、2019年に独市場に新規投入された特許薬(新薬)の件数は前年を11件下回る25件となり、7年来の低水準を記録した。減少は3年ぶり。20年は再び30件を超える見通しという。(グラフ1を参照)

新規特許薬の件数が最も多かった疾患分野は昨年に引き続きがんで、全体の40%に当たる10件(18年=12件)に上った。今年は特定の部位でなく特定の遺伝子変異に伴うがんの治療薬がドイツで初めて上市された。

2位は感染症と血液疾患でともに3件。4位は炎症(免疫システムの異常)、神経疾患、代謝疾患、心臓病・循環器疾患でそれぞれ2件だった。代謝疾患は前年の10件から激減した。(グラフ2を参照)

希少疾患用医薬品は5件で、前年の16件から大きく後退した。希少疾患は患者数の少ない疾患。欧州連合(EU)では人口1万人当たりの罹患者数が5人以下の病気と定義されている。

抗生物質は耐性菌向けの製品が1件、投入されただけだった。来年は増加する見通し。

日本メーカーの製品では武田薬品工業の非小細胞肺がん治療薬「ブリガチニブ」とアステラス製薬の急性骨髄性白血病治療薬「ギルテリチニ」が上市された。

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