ドイツ連邦雇用庁(BA)が3日発表した2019年12月の失業者数は222万7,000人となり、前月を4万7,000人上回った。季節要因のほか、製造業の人員削減が反映された格好で、BAのデートレフ・シェーレ長官は、労働市場はおおむね安定しているが、景気の弱含み局面の影響も鮮明になっていると述べた。失業率は0.1ポイント増の4.9%へと上昇した。
12月は冬の到来で屋外労働需要が減少することから、失業者数は例年、増加する。ただ、今年は季節要因を除いた実質ベースでも8,000人増えており、景気の低迷は労働市場にも波及。前年同月比では失業者数(名目)が1万8,000人拡大した。
国際労働機関(ILO)基準の11月の失業率は3.1%で、前月を0.1ポイント上回った。
12月の求人件数は68万7,000件で、前年同月を9万5,000件下回り、季節要因を加味した前月比でも2万1,000件減少した。求人はなお旺盛なものの、勢いは弱まっている。求人指数BA-Xは前月から5ポイント減の223へと下落。前年同月比では31ポイント縮小した。
BAが同日発表した19年の平均失業者数は前年を7万3,000人下回る226万7,000人となり、これまでに引き続き減少した。失業率は5.0%で、0.2ポイント低下している。就労者数は推定で40万2,000人増の4,526万人へと拡大。社会保険への加入義務のある就労者も6月時点で3,341万人となり、前年同月を53万7,000人上回った。