化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は16日、三井化学アグロと共同開発した殺虫剤「ブロフラニリド」がオーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)から承認されたと発表した。同剤をベースとする製品を「ヴェデイラ(Vedira)」ブランドで販売していく。米国、カナダ、メキシコ、インドでも承認される見通しという。
ブロフラニリドは三井化学アグロの分子デザイン・有機合成技術から生まれた新しい作用性を持つ殺虫剤で、既存剤に抵抗性を持つ害虫にも効果がある。また、害虫の抵抗性管理に有効なローテーション使用の一剤としても大きな役割を果たす。適用対象は葉菜類、果菜類、マメ類、ワタ、トウモロコシ、イネなどで、住宅地の害虫駆除にも投入できる。対象となる害虫は農作物で問題となるチョウ目やコウチュウ目、および生活環境で問題となるシロアリ、アリ、ゴキブリ、ハエなど。
三井化学アグロとBASFは2014年、同剤の共同開発で合意した。17年には長期商業化契約を締結し、三井化学アグロが日本・アジア、BASFが欧米を中心とした地域でそれぞれ販売していくことを取り決めた。