昭和電工は5日、独南部のマイティンゲンにある生産拠点の閉鎖に向けて労使協議を開始したと発表した。黒鉛電極の需要減を受けた措置。墺スティーグの生産拠点でも一時帰休に向けた労使協議を開始した。
マイティンゲン工場では黒鉛電極の本体部分(ロッド)同士を継ぎ足す継手を生産している。
顧客の電炉メーカーは世界的な景気低迷を受けて黒鉛電極の在庫調整を昨年下半期から継続している。特に欧州市場では景気減速が目立ち顧客の稼働率が低下していることから、同工場を閉鎖することにした。閉鎖後は昭和電工の黒鉛電極生産能力が年4万トン減の21万トンへと低下。黒鉛電極用継手の生産は大町事業所に集約することになる。
同社は2017年、独SGLカーボンの子会社SGL
GEホールディングを完全買収し黒鉛電極事業を強化。それまで主にアジア、米国から供給してきた黒鉛電極を欧州からも提供し、世界全域をカバーする供給体制を構築した。