独コメルツ銀行(フランクフルト)は13日の決算発表でコストの追加削減に向けて検討を行っていることを明らかにした。人件費を含むあらゆる領域を見直しており、遅くとも8月までに具体策を公表する意向だ。
同行は昨年9月、新経営戦略「コメルツバンク5.0」を打ち出した。事業のデジタル化の加速とコスト削減を通して競争力を高めることが狙い。フルタイム勤務の行員数を約4,300人削減するなどして、2023年までにコストをおよそ6億ユーロ圧縮するとともに、銀行の危機対応能力の指標である有形株主資本純利益率(RoTE)を4%以上へと引き上げる目標を打ち出した。これに対しては市場のほか、欧州中央銀行(ECB)からも目標水準が低すぎるとの批判が出ていた。
コメ銀の2019年12月期決算の純利益は前期比25.3%減の6億4,400万ユーロと大きく落ち込んだ。低金利のほか、組織再編費用の計上が響いた格好だ。営業利益は1.2%増の12億5,800万ユーロとやや拡大した。12月末時点の狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は13.4%で、前年同日の12.9%を0.5ポイント上回った。