ボッシュ―マイルドHV用電池を独で生産へ―

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は2月27日、マイルドハイブリッド車(HV)用の48ボルト電池をドイツ国内で生産すると発表した。マイルドHVの需要増が見込まれるため。中国に続いて同社2カ所目のマイルドHV用電池工場となる。

独東部のアイゼナハ工場内に新生産施設を設置し、2021年夏から製造を開始する。雇用規模は約120人。

電池セルは戦略協業する中国の寧徳時代新能源科技(CATL)から調達する。CATLは当初、中国製のセルを供給。アイゼナハの東およそ70キロのエアフルトで現在、建設しているセル工場の完成後は同工場からの供給に切り替える。

マイルドHVはエンジンを補助する動力源としてモーターを利用する車両。フルHVと異なり、モーターのみで走行することはできない。

マイルドHVではこれまで、駆動用電源の電圧を12Vとするシステムが主流だった。だが近年はこれを48Vへと引き上げ高出力化する動きが欧州で強まっている。車両の消費電力が増えているうえ、欧州連合(EU)が21年に導入予定の二酸化炭素(CO2)排出基準を遵守するためには48VマイルドHVが必要との認識が広がっているためだ。ボッシュによると、48VマイルドHVシステムを投入することで車両の燃費を最大15%改善できる。同システムの需要は環境規制が厳しい欧州と中国で伸びている。

ボッシュは世界の新車に占める48VマイルドHVの割合が25年には約20%に拡大すると予想。需要を取りこむために48VマイルドHV用電池の生産を強化していく。

同社は18年末、48VマイルドHV用電池の生産を中国の無錫工場で開始した。小型で冷却装置が不要なことから、内燃機関車に統合しやすいという強みを持つ。自動車メーカーは開発時間とコストを大幅に圧縮できる。

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