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2020/3/4

企業情報

フォルクスワーゲン―アウディを完全傘下に、MANはトレイトンが吸収―

この記事の要約

VWは現在、アウディ株99.64%を保有している。

完全子会社化した後もアウディを独立会社にとどめるとしている。

VWはこのほか、◇アウディのマルクス・デュースマン新最高経営責任者(CEO)がVWグループの研究開発を統括する◇グループ全体のソフトウエア開発を統括する事業組織「カーソフトウエア・オーガニゼーション」の中心拠点をアウディの本社所在地インゴルシュタットに設置する――ことを明らかにした。

自動車世界最大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は2月28日、高級乗用車子会社アウディを完全子会社化する方針を発表した。グループの一体性を強めることで自動車業界の構造転換に対応。競争力を長期的に維持・強化できる体制を構築する。

VWは現在、アウディ株99.64%を保有している。市場で取り扱われている残り0.36%を強制的な買い上げ手続き(スクイズアウト)を通して取得し、上場を廃止する。アウディの今夏の株主総会でスクイズアウトを決議する予定だ。完全子会社化した後もアウディを独立会社にとどめるとしている。

VWはこのほか、◇アウディのマルクス・デュースマン新最高経営責任者(CEO)がVWグループの研究開発を統括する◇グループ全体のソフトウエア開発を統括する事業組織「カーソフトウエア・オーガニゼーション」の中心拠点をアウディの本社所在地インゴルシュタットに設置する――ことを明らかにした。グループで果たすアウディの役割は高まることになる。

VWは同日、商用車子会社トレイトンが傘下の商用車メーカーMANを吸収合併する計画も明らかにした。トレイトンはスクイズアウトを通して他の株主が保有する計5.64%を取得。出資比率を現在の94.36%から100%へと引き上げる。合併により組織をスリム化し意思決定を速やかに下せるようにするとともに、管理コストを削減する。