ドイツの銀行業界に一部の支店を一時的に閉鎖する動きが出てきた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた措置で、コメルツ銀行は約1,000店舗のうち数百カ所、伊ウニクレディトの独子会社ヒポ・フェライン銀行(計337店舗)は全体の約3分の1を閉める。
コメ銀は週明けの16日から支店の閉鎖を開始した。週末までに完了する。対象となるのは小規模な支店で、当面は大規模な支店を通してサービスを提供していく。背景には顧客と行員の感染リスクを引き下げるという狙いのほか、学校と保育施設の閉鎖で出勤できない行員が増えたという事情がある。
ヒポ銀は17日から100カ所強の支店を閉鎖した。支店の行員の30%は在宅勤務となっている。全国のすべての地域でコンサルティングサービスを提供する体制を維持するために、支店の閉鎖は順繰りに行う意向だ。支店内の感染リスクを下げるためには、必要に応じて樹脂ガラス製の仕切りパネルをカウンターに設置する。
ドイツ銀行は現時点で支店閉鎖を検討していない。閉鎖せざるを得ない状況となった場合は閉鎖対象となった支店の業務を大型支店が代行する。
フランクフルト貯蓄銀行は全支店の営業を継続している。ただ、外出を控える市民が多いことから来店する顧客は大幅に減少。代わりに電子メールと電話での問い合わせが増えている。