Ifo経済研究所は28日、新型コロナ危機の影響でドイツの国内総生産(GDP)が第2四半期(4~6月)に前期比で実質12.2%減少するとの予測を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う営業制限措置などが響くため。第3四半期(7~9月)から景気の回復が始まるものの、GDPが危機前の水準に戻るのは2021年末になると予想している。
Ifoが毎月行う企業アンケート調査をもとにまとめたところによると、4月の業界売上高はサービス業を中心に大きく低下。低下幅は旅行で84%、航空で76%、宿泊・飲食で68%、ヘルスケアで45%、芸術・娯楽・余暇で43%に達した。製造業では自動車が41%と大きい。製薬は7%増となり、全業界のなかで唯一、拡大した。
Ifoの予測では、第2四半期の粗付加価値(GVA)は流通・運輸・宿泊・飲食で前期を18.6%、企業向けサービスで同13.1%、情報・通信で12.3%、製造で11.1%、金融・保険で6.9%下回る見通し。
第3四半期以降の回復のスピードは業界によって大きく異なる。製造業はコロナ危機前の水準を1年で取り戻すものの、娯楽、余暇、文化、宿泊・飲食は低迷が長引く見通しだ。
今回の予測は◇コロナウイルスの感染拡大が今後数カ月で抑止され、感染の「第二波」が回避される◇ドイツとその販売市場、調達市場で企業倒産の嵐が発生せず、金融システムの不安定化が回避される――を前提にしている。これらの前提が崩れた場合は危機が一段と深刻化する見通しだ。