4月の乗用車新車登録61%減少、プラグインハイブリッドは87%増に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が6日発表した4月の乗用車新車登録台数は前年同月比61.1%減の12万840台へと激減した。新型コロナウイルスの感染拡大が響いた格好で、1~4月の累計も前年同期比31.0%減の82万2,202台へと落ち込んだ。

同国では新型コロナの感染拡大を防ぐため、基本的な生活の維持に必要なスーパーや薬局を除く小売店の営業が3月中旬に禁止された。このため自動車販売店は販売活動ができなくなった。自動車販売店は4月20日から営業を再開できるようになったものの、新型コロナ危機で消費者心理は強く冷え込んでおり、来店者が少ない状態が続いている。こうした事情を受けて4月の新車登録が大きく落ち込んだ。社用車としての登録は63.2%、マイカーは同57.8%減少している。

4月の新車登録を動力源別でみると、ハイブリッド車は1.4%減の1万6,573台とやや落ち込んだものの、シェアは前年同月の5.4%から13.7%へと大幅に拡大した。プラグインハイブリッド車は87.1%増の5,618台と好調で、シェア1.0%から4.6%へと伸びている。電気自動車は2.8%減の4,635台。シェアは3.8%で、前年同月(1.5%)の約2.5倍に上った。

ガソリン車のシェアは59.1%から49.9%へと低下。ディーゼル車も33.5%から32.1%へと落ち込んだ。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均150.9グラムで、前年同月を4.9%下回った。

新車登録台数が増えた主要ブランドは電気自動車専門の米テスラ(10.4%増の635台)だけだった。

ドイツ車の実績はミニが39.2%減の2,248台、BMWが49.9%減の1万2,410台、ポルシェが57.1%減の1,326台、アウディが61.0%減の8,969台、フォードが61.7%減の9,311台、VWが63.9%減の2万741台、メルセデスが71.2%減の8,508台、オペルが72.8%減の5,153台、スマートが94.1%減の265台。

日本車は三菱が44.4%減の2,641台、スバルが47.7%減の260台、トヨタが52.1%減の3,780台、レクサスが61.0%減の130台、スズキが64.8%減の912台、日産が67.7%減の1,086台、ホンダが73.0%減の380台、マツダが74.8%減の1,370台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドはDSが20.0%減の164台、ジャガーが29.3%減の602台、ボルボが40.8%減の2,462台、ランドローバーが42.2%減の963台、起亜が44.7%減の3,158台、アルファロメオが45.1%減の207台、セアトが52.4%減の4,827台、ジープが53.4%減の603台、ダチアが56.3%減の3,057台、シュコダが57.1%減の7,227台、ルノーが58.3%減の4,742台、シトロエンが60.7%減の2,202台、フィアットが62.3%減の3,788台、プジョーが63.0%減の2,373台、双竜が65.0%減の72台、現代が69.1%減の3,253台となっている。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は1万900台で、前年同月を97%下回った。新型コロナ危機に伴う需要減とサプライチェーンの支障を受けてほとんどの工場で操業が停止されたことが背景にある。輸出台数も94%減って1万7,600台となった。1~4月は生産台数が前年同期比38%減の103万300台、輸出台数が38%減の79万4,700台だった。

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