ビオンテック―コロナワクチン量産に向け工場取得―

新型コロナウイルス用ワクチンを開発中の独ビオンテックは17日、同国中西部のマールブルクにある工場をスイス製薬大手のノバルティスから取得することで合意したと発表した。同ワクチンの量産を見据え生産能力を拡充する狙い。10-12月期(第4四半期)に取引を完了し、来年1-6月期(上半期)から生産を開始する予定だ。取引金額は明らかにしていない。

同社はメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナのワクチンを製薬大手の米ファイザー、中国の復星医薬と共同開発している。すでに治験の最終段階に当たる第3相臨床試験を行っており、10月にも認可申請を提出する見通し。認可を得た場合、同開発連合はワクチンを年内に1億本、来年末までに13億本、生産する。

ビオンテックは現在、新型コロナワクチンを独国内の2カ所で治験用に生産している。マールブルク工場を取得することで、生産能力を最大で年7億5,000万本、拡大する。同工場は欧州最大級のmRNA生産施設になるという。

ファイザーはビオンテックとは別に、新型コロナワクチンを欧米の4工場で生産する。

マールブルクはビオンテックの本社所在地マインツとフランクフルト国際空港に近いことから、白羽の矢が立てられた。ノバルティスからは工場のほか、従業員300人を引き継ぐ。

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