市場調査大手GfKが22日発表したドイツ消費者景況感指数の11月向け予測値はマイナス3.1となり、前月の確定値(-1.7)から大きく低下した。同指数の悪化は3カ月ぶり。新型コロナウイルスの新規感染者数が急速に増えていることを受けて、景気と家計に対する消費者の楽観は吹き飛んだ格好だ。
GfKが実施したアンケート調査によると、新型コロナウイルス感染症(コビット-19)を「大きな脅威」「とても大きな脅威」とする回答は計74%に達し、調査を開始した4月以降の最高を記録した。コビット-19を自らの将来にとって「大きな脅威」「とても大きな脅威」との回答も過去最高の51%に達しており、感染や失業への懸念が強まっている。調査担当者は「冬季に入って感染症の拡大を制御できなくなれば、ロックダウン再導入の懸念が高まる」と述べた。
景気の見通しに関する10月の指数(11月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を15.0ポイント下回る7.1へと急落した。同指数の悪化は6カ月ぶり。感染拡大を受けて景気の回復がこれまで想定していたよりも鈍化するとの見方が消費者の間に広がっているもようだ。
所得の見通しに関する10月の指数(同)も6.3ポイント増の9.8へと下落した。旅行、イベント、航空など一部の業界で状況好転の兆しが全く見えないことや、会社更生手続きの申請義務を緩和する特例措置が年末で解除されると倒産件数が急増する見通しなどが、失業懸念を強めている。
高額商品の購入意欲に関する10月の指数(同)は1.4ポイント減の37.0へと低下したものの、水準自体はこれまでに引き続き高かった。ただ、雇用不安が一段と高まれば、同指数も大幅に落ち込む恐れがある。