ダイムラーがバスでの感染リスクを排除、換気とフィルターでエアロゾル低濃度に

自動車大手の独ダイムラーは26日、新型コロナウイルスの車内感染リスクをほぼ完全に排除できることが、同社製バスで確認されたと発表した。空気の迅速な入れ換えと、抗ウイルスフィルターの投入によりエアロゾル感染を防げるとしている。

同社製バスの感染防止効果をベルリン工科大学ヘルマンリーチェル研究所が調査した。それによると、同社製バスは外気温8~26度の条件下で車内の空気を1~2分で全面的に入れ替えることができる。これよりも温度が高いないし低い場合でも4分で空気がすべて入れ替わる。換気性能は顧客企業の要望に応じて高めることができる。

同研究所のマルティン・クリーゲル所長は、乗客が社会的距離と衛生、マスクルールを順守していれば空気が速やかに入れ替えられるバスの車中で感染するリスクは極めて低いと明言した。

ダイムラーは感染防止に向けて、抗菌効果のある高性能フィルターを新たに導入した。同フィルターは繊維製品の抗ウイルス性規格であるISO18184に準拠しており、エアロゾルを最大99%シャットアウトできる。

迅速な換気と抗ウイルスフィルターの効果で、エアロゾルの車内濃度は4時間走行しても感染リスクの危険水準に達しないという。

同フィルターは現在、観光バスに装備できる。ダイムラーは年末までに路線バス、低床バスにも装備できるようにする意向だ。

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