欧州の車両・燃料メーカーが協業、FCトラック普及に向け

商用車大手のダイムラー・トラックや燃料大手のシェルなど欧州5社は15日、燃料電池(FC)トラックの普及促進に向けて協業すると発表した。性能の高いFCトラックを開発しても燃料となる水素の供給網が整備されなければ販売台数が伸びず、水素インフラ関連の産業も育たないことから、車両と燃料メーカーが手を組み、FCトラック販売と水素供給網がバランスを取りながら拡大していくようにする狙いだ。

H2アクセラレート(H2A)という団体を設立する。加盟するのは商用車大手のダイムラー・トラック、イベコ、ボルボ・グループと、燃料大手のシェル、OMVの計5社。FCトラックと水素供給の試験プロジェクト向けに補助金を獲得するほか、FCトラックの普及に必要な枠組み条件の整備を欧州連合(EU)や欧州各国の政府、規制当局に働きかけていく。

まずは地域クラスター内と欧州の幹線ルートに沿ってFCトラックが走行できる環境を実現。2020年代末までにクラスターを連結し、欧州全域に水素供給網を構築する考えだ。

シェルの新エネルギー事業担当者は、FCトラックを普及させるためには車両・運営コストと燃料補給時間、航続距離でディーゼルトラックと同等の水準を実現しなければならないと指摘。そのためには水素供給とFCトラック、燃料補給インフラ、顧客インセンティブを相互に連携させる形で規制する明確な政策枠組みが必要になると述べた。

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