高級車大手の独BMWが12日発表した2020年のグループ乗用車販売台数は前年比8.4%減の232万4,809台へと落ち込んだ。コロナ禍が響いた格好。ただ、下半期の販売が好調だったことから、減少幅は上半期(前年同期比23.0%減)に比べ大きく縮小した。
10-12月期(第4四半期)の販売台数は68万6,069台となり、前年同期を3.2%上回った。7-9月期(第3四半期)も8.6%増えており、増加は2四半期連続。
20年販売をブランド別でみると、主力の「BMW」は7.2%減の202万8,659台だった。競合ダイムラーの「メルセデスベンツ」ブランド(216万4,187台)をこれまでに引き続き下回っている。小型車ブランド「ミニ」は15.8%減の29万2,394台、超高級車ブランド「ロールスロイス」は26.4%減の3,756台だった。
電動車の販売台数は19万2,646台で、前年を31.8%上回った。プラグインハイブリッド車(PHV)が約40%増加。電気自動車(EV)も13%伸びた。グループ販売に占める電動車の割合は8.3%で、欧州に限ると15%に上った。
電動車の販売が大きく増えたこともあり、20年に大幅に厳格化された欧州連合(EU)の二酸化炭素(CO2)排出規制をクリアできたとしている。同社は電動車のモデル数を23年までに現在の13種類から約2倍の25種類へと増やす計画だ。
BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、アジアは6.1%増の98万4,515台と好調だった。主力の中国が7.4%増の77万7,379台へと拡大。韓国は30.5%増の6万9,872台と全体をけん引した。両ブランドの世界販売に占める中国市場の割合は33.5%となり、前年の28.8%から大幅に拡大した。
足元の欧州は15.7%減の91万2,621台、アメリカ大陸は19.7%減の37万8,613台だった。