情報通信業界連盟(Bitkom)は13日、ドイツの情報通信技術(ICT)市場が2021年は前年比2.7%増の1,744億ユーロとなり、2年ぶりに拡大する見通しを発表した。コロナ禍で見送られた投資が実施されるうえ、在宅勤務の増加などでデジタル化の機運が高まっていることがプラスに働く。
全体をけん引するのは情報技術(IT)で、4.2%増の986億ユーロに拡大する。特にITハードウエアは8.6%増の316億ユーロと伸び率が大きい。ソフトウエアは4.1%増の270億ユーロ。ITサービスは1.1%増の400億ユーロと小幅な伸びにとどまるものの、IaaS(サービスとしてのインフラ)は33.0%増の27億ユーロとこれまでに引き続き大きく拡大する見通しだ。
通信技術市場は1.0%増の674億ユーロに拡大する。光ファイバーと5G通信網への投資を背景に通信インフラが3.2%増の71億ユーロに拡大。通信端末も2.8%伸びて116億ユーロとなる。通信サービスは0.3%増の487億ユーロと増加幅が小さい。
娯楽家電は2.0%減の83億ユーロとなり、4年連続で縮小する。ただ、後退幅は18年が6.6%、19年が5.6%、20年が3.0%となっており、21年はこれに比べると小さい。
20年のICT市場規模は1,698億ユーロで、前年を0.6%下回った。娯楽家電だけでなく、IT(0.7%減)と通信技術(0.1%減)も縮小した。
世界のICT市場規模は今年3兆7,220億ユーロとなり、昨年を2.9%上回る見通しだ。国別ではインドが13.5%増、中国が7.1%増と全体をけん引。米国(2.2%増)、日本(1.1%増)、EU(0.9%増)は小幅な伸びにとどまる。
国別のシェアでは米国が34.7%と断トツで大きく、これに中国が11.3%で続く。3位は日本で6.2%、4位は英国で4.2%。5位はドイツで3.9%、6位はインドで2.2%となる。中国とインド市場が急成長していることから、ドイツのシェアは縮小傾向にある。