テイクアウトでリユース容器使用が義務化

ドイツ政府は包装法改正案を20日の閣議で了承した。使い捨て飲料容器の規制を強化するほか、テイクアウト用の包装材にリユース容器を使用することを義務付けることが柱。ごみの発生を抑制するとともに省資源を推し進める意向だ。

飲食店のテイクアウトやデリバリーサービスでは通常、使い捨て容器が用いられている。これが大量のごみ発生につながっていることから、政府は使い捨て容器のほか、リユース容器も提供することを2023年から飲食店とデリバリー、ケータリング事業者に義務付ける意向だ。顧客が持ち寄った容器にコーヒーや食べ物を詰めるサービスも義務化する。ただ、これらのサービスは小規模事業者に大きな負担となることから、従業員数が5人以下、面積が80平方メートル以下の店舗については免除する。

小売店などで販売される使い捨て容器入りのビールとミネラルウォーター、清涼飲料水、アルコール混合飲料には現在すでに25セントのデポジット(保証金)が課されている。使い捨て容器入り飲料の購入を消費者にためらわせることを目的に導入されたルールで、リユース容器入り飲料に比べデポジットの額が高い。

政府は使い捨て容器入り飲料のデポジット対象を広げる方針で、法案にはすべての樹脂製使い捨て容器入り飲料と缶飲料に原則的に22年からデポジットを課すことが盛り込まれている。牛乳も樹脂製使い捨て容器入りの製品は24年からデポジット課金の対象とする。

法案にはまた、◇使い捨てPETボトルに再生プラスチックを25%以上、使用することを25年から義務化する◇樹脂製のあらゆる使い捨てボトルに再生プラスチックを30%以上、使用することを30年から義務化する――ことも盛り込まれた。法案は連邦議会と連邦参議院の可決を経て7月1日付けで施行される見通しだ。

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