環球晶円―独社へのTOB、価格を短期間で2度引き上げ―

台湾半導体ウエハー大手の環球晶円(グローバルウェーハズ)は独同業シルトロニックへの株式公開買い付け(TOB)で買い取り価格を引き上げることを22日と25日にそれぞれ発表した。同価格のつり上げを狙う複数のヘッジファンドが圧力をかけていることを受けた措置。TOBの期限を延長するとともに、成立条件を引き下げることも明らかにした。

環球晶円は12月、シルトロニックを1株当たり現金125ユーロで買収することで合意した。これは買収交渉が進展した段階にあることを公表する直前の営業日(11月27日)までの90日間の加重平均株価を48%上回る水準で、シルトロニックを37億5,000万ユーロと評価した格好。65%以上の株式確保をTOBの成立条件としていた。シルトロニックの筆頭株主である独化学大手ワッカー・ケミーは保有株30.8%を環球晶円に全量、譲渡することに同意しており、他の株主34%強が応じればTOBは成立することになっていた。

だが、TOBに応じる株主は少なく、22日時点で確保できたのはワッカーを含めても35.43%にとどまっていた。27日の期限までにTOBの成立に必要な株式を確保できない可能性が高まったことから、環球晶円は22日、買い取り価格を1株140ユーロへと15ユーロ引き上げた。それでも株主の反応は鈍かったもようで、25日にはさらに5ユーロ引き上げ145ユーロとした。これは当初の提案を16%、11月27日の加重平均株価を71%上回る水準。シルトロニックの評価額は当初よりも6億ユーロ高い43億5,000万ユーロに膨らんだ。

25日にはさらに、TOBの成立条件を50%以上の株式確保へと引き下げた。また、期限を2週間延ばし2月10日とした。25日時点で確保した株式は36.95%にとどまる。

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