ドイツテレコム―デジタルインフラファンドを共同設立―

電気通信大手のドイツテレコムは21日、スペインの無線通信インフラ大手セルネックス・テレコムと協業すると発表した。両社がオランダで展開する電波塔事業を統合するとともに、インフラ投資ファンドを設立し欧州のデジタルインフラプロジェクトを支援していく。

両社はまず、デジタルインフラ投資ファンドDIVを設立する。ドイツテレコムはDIVにオランダの電波塔事業Tモバイル・インフラを移管。現金2億5000万ユーロと4億ユーロ相当のDIV株を取得する。セルネックスはDIVに2億ユーロを出資する。

DIVに移管されたTモバイル・インフラはセルネックスの蘭子会社セルネックスNLに転売れ、DIVはセルネックスNL株38%を取得する。これによりセルネックスNLへのセルネックスの出資比率は62%へと低下する。

セルネックスNLはこの一連の取引により保有する電波塔を984カ所から4,100カ所以上に拡大。さらに自ら新設することで約4,310カ所へと増やし、オランダ最大の独立系電波塔会社となる。ドイツテレコムはセルネックスNLに料金を支払いTモバイル・インフラの電波塔を引き続き使用する。

DIVは欧州の電気通信大手と共同で光ファイバー通信網敷設、基地局・データセンター設置などのプロジェクトを展開し、安定収入を得る計画。投資資金を確保するため、外部の機関投資家がDIVに出資することを念頭に置いている。これによりDIVへのドイツテレコムの出資比率は長期的に約25%まで低下する。

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