BMW―サプライヤーの再生エネ使用義務、アルミにも拡大―

高級乗用車大手の独BMWは2日、再生可能エネルギー由来の電力を100%使用して製造するアルミニウムをアラブ首長国連邦のエミレーツ・グローバル・アルミニウム(EGA)から調達すると発表した。サプライチェーンで発生する二酸化炭素(CO2)の量を削減する戦略の一環。車載電池セルの供給元に対してはすでに再生エネ電力の全面使用を義務付けており、対象をアルミにも拡大することになる。

EGAはドバイ電力・水道局(DEWA)が砂漠で運営する巨大なソーラー発電パークから電力の供給を受け、BMW向けのアルミを製造。BMWは独南部のランツフート工場で同アルミを車体と駆動部品の鋳造に投入する。今年の調達量は4万3,000トンで、同工場のアルミ需要の約50%をカバーすることになる。

BMWは今後、電動車の生産を大幅に拡大する計画。電動車では車載部品に占めるサプライヤーの比重が高まるうえ、部品生産で発生するCO2の量がエンジン車に比べ多いことから、対策を施さないとサプライチェーンのCO2排出量は2030年までに3分の1以上、増加する。同社はサプライヤーに再生エネ電力の使用を促すことなどを通して同排出量を19年比で20%削減することを目指している。

再生エネ電力で生産するグリーンなアルミを投入することで、BMWはCO2排出量を今後10年で約250万トン削減する見通しだ。これはサプライチェーン全体の削減目標の3%に相当する。

アルミは車両の軽量化に大きく寄与することから、電池の搭載で重量が増える電動車では使用量が増える見通しだ。このため、再生エネ電力ベースのアルミを調達する意義は大きい。

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